海野雅威の気まますぎるdiary

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近況、11月日本ツアーのお知らせ!

ブログをご覧の皆さんご無沙汰しております。
日々のライブ情報は主にこちらで更新しておりますので、ご覧ください。

http://www.tadatakaunno.com
https://www.facebook.com/tadatakaunnojazz/

さて、こちらブログではすっかり更新を怠っておりましたが、久々に近況報告です。

9月21日にベーシスト吉田豊とDUOアルバム「DANRO」が発売になりました。
普段から感じている事ですが、ミュージシャンは録音を残す為に活動をしているわけではなく、日々のライブがその実態です。その中から偶然生まれる、いわば副産物が録音であると個人的には思います。ですから、次から次へ手を替え品を替え、毎年録音するというような企画物はあまり意義を感じず、寡作であっても十分だと思っています。(だから一つ一つに心を込めた思い入れがあるのでぜひご購入くださいね!)
今回の録音は、15年活動を共にする中で生まれた信頼関係やチームワークを残しておきたいという、豊さんとお互いの思いが一致、自然な形で実現しました。自分達ならではの音楽が少しづつ形になっていたらいいなーという思いがあります。渡米以来たくさんの素晴らしいミュージシャンと共演の機会がありましたが、豊さんと演奏する時にのみ感じる特別なチームワークがありずっと大切にしてきました。今後もさらにそれを磨いていきたいと思います。長年応援してくださった方に心から感謝申し上げます。特にこのDUOは北海道で培われてきて、各地での皆さんとの交流がなければ生まれなかったものでもあります。11月後半にレコ初も(今回は関東のみ)ですが予定されていますので、ぜひお越しください!

*現在Jazz Japan、Jazz Life、ジャズ批評など最新号にこの新作に関してのインタビューやレビューがございます。ぜひそちらもご覧ください。

さて、最近はたくさんの貴重な経験を得ました。

6月の終わりにJimmy Cobbトリオで新作録音をVan Gelder Studioで行いました。
伝説のRudy Van Gelderさん(91歳!)にお会いでき、そのお人柄に触れ大変感動しました。僕はジャズを子供の頃から聴いてきましたが、その聴いてきた数え切れないほど多くの名盤を録音したRudyさんにお会いでき、そのスタジオであのピアノで自分がまさか演奏し録音できるなんて思ってもみなかった事でした。氏はその後他界され、奇しくも氏にとって生涯最期のレコーディングとなってしまいました。お会いできて本当に光栄でした。偉大な方の人生の最後でお会いできたというのは、師Hank JonesやFrank Wessとも重なります。とても悲しく、そして感謝の気持ちでいっぱいです。

9月にはHassan Shakur, Chuck Riggs両氏の推薦により初めてScott Hamilton Quartetでの演奏がありました。朗々とメロディーを歌い上げスイングするScottとの演奏を心から楽しみました。往年のジャズファンが集まった会場、お客さんは最近のスイングしないジャズのスタイルに嫌気がさしている方も多く、、伝統的であり常に新しい、シンプルで奥深いScottの音楽ファンの方が泣いて喜んでおられた感動的なコンサートでした。

また、先日は初めて香港とマカオに行ってきました。Roy Hargroveのバンドのピアニストとして初参加しました。これは前述のJimmy Cobbトリオのレコーディングの際にゲストで数曲Royに参加してもらい、その時に彼が気に入ってくれた事、またレギュラーメンバーのJustin Robinson、Sullivan Fortnerの推薦もあり実現しました。黒人バンドの代名詞であるこのバンドで、初めての日本人メンバーとなり責任も大きいですが、メンバーが信頼してくれている事に大きな喜びを感じました。この出来事もRudyや、Scottと同じく、昔から憧れていた方とまさか自分が演奏や仕事をする事になるとは思ってもいなかったことであり、まさに夢が叶った大きな日でした。リハもなし、曲もその時までわからない緊張するステージでしたが、天才としか表現できないリーダーの音楽への愛、優しさを感じ学ぶ事も多い最高の機会でした。

そして、11月はいよいよ日本ツアーが始まります。

2010年は、Hassan Shakur(b), Jimmy Cobb(ds)
2011年は、Jimmy Cobb(ds)Quartet, Eddie Henderson(tp), Yonatan Levi(b),
2014年は、Hassan Shakur(b), Jerome Jennings(ds)
2015年は、Essiet Essiet(b), Jonathan Barber(ds)

と今まで一時帰国ツアーを行ってきました。

そして、2016年の今年はベーシストJames CammackとDUOです!
JamesとはニューヨークのMezzrowなどでDUO演奏しています。素晴らしい驚異的なベーシストです。巨匠Ahmad Jamalが30年以上愛してやまない彼の柔軟で強靭なベースをじっくり聴ける貴重な機会です。予定調和ではない自由な精神がジャズの一つの醍醐味でありますが、自分達でさえどうなるかわからない展開を特にJamesとのDUOで存分にお楽しみ頂けます。また、久しぶりの共演である河村英樹(ts)、西村和真(vo)氏をゲストにお迎えする楽しみも夜、そして吉田豊氏との「DANRO」発売記念ライブもあります。皆さまとお会いできるのを楽しみにしています。ぜひお見逃しなく!

★海野雅威&ジェームス•カマック スペシャルデュオツアー2016
海野雅威(p), James Cammack(b)

11/1 (火) 横浜市栄区民文化センター リリスホール
11/2 (水) 3 (木) 4(金) 神楽坂Glee
11/5 (土) 6 (日) 岡崎ジャズストリート
11/8 (火) 水戸自由が丘スタヂオ
11/9 (水) 大阪ラグタイム Guest: 河村英樹(ts) 
11/10 (木) 福山リーデンローズホール
11/11 (金) 下関東京第一ホテル Guest: 西村和真(vo)
11/12 (土) 福岡バックステージ Guest: 西村和真(vo)
11/13 (日) 横浜ファーラウト

★海野雅威&吉田豊「DANRO」発売記念ライブ
海野雅威(p), 吉田豊(b)

11/18 (金) 山野楽器銀座本店
11/19 (土) 熊谷Space1497
11/20 (日) 南浦和U3chi

【総合問い合わせ先】
www.tadatakaunno.com













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11月、日本ツアー決定!

今年も11月、一年振りの日本ツアーが決定しました!
ぜひ今年こそは/今年も、この機会をお見逃しなく!

海野雅威NYトリオ

海野雅威 - piano  
Essiet Okon Essiet - bass  
Jonathan Barber - drums

11-07 (Sat) 岡崎JazzStreet Libraホール

11-08 (Sun) 岡崎JazzStreet 龍海院

11-09 (Mon) 駒込 東洋文庫cafe

11-11 (Wed) 小布施 Bud

11-12 (Thu) 塩尻 レザンホール

11-13 (Fri) 岡山 ルネスホール

11-14 (Sat) 青山 Body & Soul

11-15 (Sun) 青山 Body & Soul w/ Raymond McMorrin

海野雅威&吉田豊DUO

海野雅威 - piano  
吉田豊 - bass

11-17 (Tue) 札幌 ルーテルホール

11-18 (Wed) 札幌 ジャムジカ

11-20 (Fri) 旭川 Mokera Mokera

11-22 (Sun) 埼玉 U3chi

皆様ぜひお越し下さい。
会場でお会いできることを楽しみにしております。

そして、さらに大ニュース!!!
おそらく5年は更新が止まっていたであろう、海野雅威のホームページがようやく再開しました!!!
まったく変わらないスケジュール画面を虚しく眺め続けてきた方、流れてくる音楽をBGMとして利用する方針転換されてこられた方、大変長らくお待たせしました。新しいサイトにさらに詳しい今回のツアーの詳細があります。ぜひチェックしてください!

リニューアルサイトはこちら
http://www.tadatakaunno.com

Facebookのページはこちら
https://www.facebook.com/tadatakaunnojazz?ref=hl

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2015年、新年!

明けましておめでとうございます。
2015年、皆さんにとって幸せな年でありますように。

さて、昨年はめずらしく年に2度日本でライブを行い、たくさんの方にお会いできました。お越し頂いた皆さん、それぞれの会場で支えて頂いた方々に心から感謝致します。

新年を迎えて、今でも昨年の温かい感想メールを頂戴しております。
今回はライブにお越し頂いた方の感想を一部ご紹介します。それぞれの感性で受け止めて頂いた大変素敵な感想を拝読し、もしかすると自分が大切にしている何かが自然と伝わったのかもしれないなと思うと、とても嬉しく幸せに感じています。

以下、頂いた感想の一部です。

■昨晩11月8日(土)御茶ノ水NARUで行われた海野雅威New York Trioのライヴを拝見~素晴らしいライヴでした!自然体でありながら、抜群のスイング感とグルーヴ感も最高の海野さんのピアノ。ハッサン・シャコーのベースと売れっ子ドラマーのジェローム・ジェニングスのプレイが目の前で体感できるというとても貴重なライヴで、3人の遊び心や本場ニューヨークのエナジーを感じる最高のライヴでした。(The Walker's、加瀬正之さん)

■11/8、親友、海野雅威氏の NY trio at Naruに行った。HassanもJeromeも音が美しくて、音量は小さいのにハコを鳴らしまくってて、強力にスイングしていて、ユーモアがあって、心からウンちゃんトリオを楽しんでいる。まるで家族のようなトリオだった。本当にシンプルな飾らないサウンドで、いつまでも聴いていたかった。聴き手の、上にも下にもいない、ただ横で寄り添っている音、温度も熱すぎない、冷たすぎない、体温と同じ音。自慢になるけど、僕は海野トリオのサウンドを長年キャッチボールをしながら築き上げてきた誇りがある。そのことをきっとHassanもJeromeも分かってくれていたのだと思う、すぐに(彼らとも)仲良くなれた。楽器に関する、いろいろ大事なことを教えてくれた。皆ウンちゃんを通じて家族だなーと思った!この素晴らしいサウンドを日本に届けてくれて本当に感謝だ。皆さんに絶対に聴いてほしいトリオです。(ベーシスト、吉田豊さん)

■今夜は、浜松ハァーミットドルフィンに、海野雅威NYトリオを観に行って来ました。本当に素晴らしい演奏でした。凄まじいグルーブの一体感、押し寄せるスイングの大波! 海野君は、日本に居た時からスイングするピアニストだと思っていましたが、NYで6年間、本場のミュージシャンとの共演を重ねて、もはや唖然とするしかない領域に達している感がありました。ベースのハッサンとドラムのジェロームも、海野君との演奏を心底楽しんでいる様子が伝わって来まして、日本人として、なんだか嬉しかったです。(ピアニスト、小関信也さん)

■今年の内に書いておこうと思って、もう最終日になってしまったので記しておこう。とても感動したライブのこと。11月7日、本郷台リリスホール。ニューヨーク在住ピアニスト海野雅威くんのトリオのコンサート。彼が渡米する前に何度が一緒に演奏させてもらったが、それ以来の久しぶりの再会である。当時から傑出したセンスの持ち主だったが、NYでどのように進化したか、とても楽しみにしていた。連れて来てくれたのは、Hassan J.J. Shakur (bass)、Jerome Jennings (ds) という素晴らしいメンバー。最初から最後まで最高に楽しいライブであった。何よりも海野くんそしてメンバー全員が心から音楽を楽しんでいる。ジャズって最高!心からそう思える演奏だった。10代のころ、初めてジャズを聴いて、この音楽を一生やっていこうと思った、あのワクワクした思いが蘇った。ずっと夢の国にいるようだった。現実に戻りたくない。このままずっとこの音に浸っていたい。時間よとまれ。あ、止まったら音楽にならない。永遠にこの時間が続いて欲しいと思った。そして、Hassan のスィング!会場が無重力状態になり、自分が宙に浮いているようだった。会場がスィングで埋め尽くされた。こんな体験は初めてだ。こんなスィング、やはりアメリカで生まれて英語を話して、アメリカで育って生活しないとできないのかも。そんな圧倒的な、理屈を超えたスイングだった。アメリカの人間国宝にすべき。このスィングは貴重な体験だった。ライブでなくては絶対に体験できないもの。今後の自分の bass の base となるのは間違いない。最後にCDにサインしてもらい、少しお話できた。海野くん、何年も前に数回会っただけなのに、覚えていてくれてよかった(^^ゞ。本当に楽しいライブだった。ジャズは最高です。あ、ラテンもブラジルも大好きだけどね!(ベーシスト、磯部英貴さん)

■茨城の牛久まで海野雅威ニューヨークトリオを聴きにいった。(彼が)小学生の頃からだからもう20年以上の長い付き合いである。元岡は4年で帰って来たニューヨークにもう6年も住んでることになる。今回もとても刺激を受けた。ドラムのJerome Jenningのタッチにジャズの無限の可能性を、ベースのHassan Shakurにキャラクターと音楽が一体となる楽しさを確認。そしてそれらを引き出す事が出来るようになった海野君の力と余裕と愛されている正直さにうたれた。素敵なドラムJeromeと頼りになるベースHassanと本当に楽しそうに音楽をつくっていて、聴いててあんまり楽しくて泣いてしまった。あんまり楽しいと泣くんだな。聴きにきていた鈴木道子さんも泣いていた。(ピアニスト、元岡一英さん)

■期待してはいましたが予想を遥かに上回るライブでした。当然ながら満席でした。
海野君はNYに渡って早6年。初めて聴いたのは彼がまだ芸大生だった10年ほど前、松戸ブルートレインという小さなライブハウスで、ハリーポッターそっくりな青年でした。渡米後は故Hank Jones, Frank WessなどのLegend から高い評価を受け才能をさらに開花させてNYを中心に活躍中です。昨年の帰国ライブも素晴らしかったのですが、今夜はもっと凄かった。いわゆる王道を歩むジャズなのですが予定調和的な退屈さは微塵も無くスリリングで刺激的、しかも同時に先人達へのオマージュをも感じさせ、私のような古い人間も思わず感涙にむせびそうな瞬間が何度となくありました。All the things you are、たまりませんでした。この若さにして既にマエストロの風格を備えつつある空恐ろしいピアニストです。(広谷忠彦さん)

■正にワールドクラスの妙技に聴き惚れました。ジャズの面白さ音の深さにも目を見はる思いでした。しばらくはどこでもあの時のような演奏は聴けないでしょう。同メンバーのCDは今もよく聴いています。(小布施Budオーナー、須々木健さん)

皆さんのおかげです!

残念ながら今回はお会いできなかった方、次回のライブ行きたくなりましたか?
あ、それは嬉しい。次回はぜひお待ちしています。

まだ次回の日本は未定ですが。。。

予定はこちらで気長にチェックしていてください。
https://ja-jp.facebook.com/tadatakaunnojazz

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2014秋ツアーが始まります!

いよいよ秋のツアーの為、日本に参ります!
今回は普段ニューヨークで活動を共にするトリオメンバーでのツアーで、このトリオの新しいCDを会場で限定販売致します。

当日皆様とお会いできるのを心待ちにしております!

【メンバー】海野雅威(p)、Hassan Shakur(b)、Jerome Jennings(ds)

11月5日(水)【東京】銀座山野楽器本店
"Ginza Autumn Jazz Live"
7時開演 【たくさんのご応募ありがとうございました。応募受付終了致しました。】

11月6日(木)【岡山】岡山ルネスホール
7時開演
*お問い合わせ先 エマノンミュージック TEL: 090-3636-4621

11月7日(金)【神奈川】横浜市リリスホール
7時開演 【完売致しました!】
*お問い合わせ先 リリスホール TEL: 045-896-2000

11月8日(土)【東京】御茶ノ水NARU
NARU 2days “御茶ノ水NARU45周年記念ライブ!”
7時45分開演 【完売致しました!】
*お問い合わせ先 TEL: 03-3291-2321
http://www.jazz-naru.com/topics.html

11月9日(日)【東京】御茶ノ水NARU
NARU 2days “御茶ノ水NARU45周年記念ライブ!”
7時45分開演 【完売致しました!】
*お問い合わせ先 TEL: 03-3291-2321
http://www.jazz-naru.com/topics.html

11月11日(火)【茨城】牛久市エスカードホール
6時半開演 【満員御礼!】
*お問い合わせ先 TEL: 029-842-6913 or 029-851-2858
E-mail: rosace7@yahoo.co.jp

11月12日(水)【東京】駒込東洋文庫ミュージアム
“スペシャルディナーライブ!”
開場5時半、会食6時、開演7時より【完売致しました!】
*お問い合わせ先 E-mail: info@hiroko-ikeda.com

11月13日(木)【静岡】浜松市ハーミットドルフィン
7時半開演
*お問い合わせ先 TEL: 053-451-1807
E-mail: hermitdolphin@gmail.com
http://www3.tokai.or.jp/hermitdolphin/#00

11月14日(金)【静岡】静岡市ライフタイム
7時半開演
*お問い合わせ先 TEL: 054-250-0131
E-mail: lifetime@fugetsuro.co.jp
http://www.fugetsuro.co.jp/lifetime/index.html

11月15日(土)【長野】小布施ジャズ喫茶BUD
*お問い合わせ先 TEL: 026-251-4033
http://bud-jazz.dreamlog.jp/archives/5204642.html

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Dick Morgan Tribute Concert

今回は書かずにはいられない特別なコンサートについて。

渡米以来、普段のニューヨーク生活というのは日本のように質の高い暮らしは到底望めず、正直非常に住みにくい街と言わざろう得ない。都会の刺激は短期で訪れる観光客にはよいのだろうが、そこに住むとなると息が詰まる時ももちろんある。でもそんな中でもびっくりするような宝物のような日が一年にほんの少しあったりする。先日まさにそういうご褒美のような嬉しい日が訪れた。場所は今回はニューヨークではなくメリーランド州での出来事。

もともと僕は、有名ミュージシャン=実力のあるミュージシャンという考え方が好きではない。知名度やファン数などでミュージシャンの価値を決めるつける周り、その価値観に流される人に出くわすとウンザリしてしまう。自分の知らないだけで、名の知れず素晴らしいミュージシャンが各地に必ずいると信じている。プロとアマチュアという区別も好きになれない。レコーディングや何かしらのチャンスに恵まれなかっただけで、その実力は有名人を軽く越えてしまうような本物のミュージシャンもいる。

僕の敬愛するピアニストDick Morganはまさにそういう稀有な存在だ。自身の名を挙げる事には全く興味を持たず、ただ真摯に音楽を愛し、彼を慕う聴衆に長年地元のワシントンD.C.とメリーランドで50年以上に渡って愛され続けてきた。僕は日本にいる時に彼の名盤「See What I Mean」をたまたま店でみつけ、実はそのジャケの持つ雰囲気だけで購入したのだか、すっかり彼の演奏の虜になった。今にして思えば運命的な出会いだった。渡米以来、ワシントンD.C.エリアでのみしか演奏をしていない彼のライブを聴きに行く事が目標の一つになった。そして、2011年、彼の地元にある老舗クラブBlues Alleyでのライブを聴きに行く為にバスでニューヨークから向かった。言葉にならない程感激、興奮した。Dickはとても若々しく見え、81歳には到底思えなかった。お話する機会も得て、日本人のピアニストで彼のファンという事に逆に非常に喜んでもらい、持参した「At The Showboat」のレコードに心良くサインをしてくれた。

二回目もぜひと、2013年の12月に予定されていたライブをまた聴きに行く計画を立てていたのだが、惜しくも10月20日に84歳で天国に召されてしまった。ちょうどその頃は大変可愛がってもらったFrank Wessも旅立ってしまい、とてもショックだった。僕は幻になってしまった二回目のDickのライブに行けなかった代わりにぜひ彼のメモリアルに参加しようと決め、再び11月23日にワシントンD.C.行きの日帰りバスに乗った。教会の厳粛な雰囲気の中で行われたセレモニーの最後、彼のシグネチャーソングである「Bridge Over Troubled Water」に涙が止まらなかった。ワシントンD.C.の誇るジャズレジェンドの悲報にはオバマ大統領からも哀悼の手紙が届いていた。その後隣接する会場で行われたのは一転してハッピーなジャムセッションだった。そこではDickと30年来に渡って演奏活動を共にしてきたギターのSteve Abshire、ベースのDavid Jerniganらを中心にDickを慕うワシントンD.C.のレジェンドミュージシャンが集結していた。その際に僕がニューヨークから来たピアニストだと自己紹介すると、セッションに参加するようにDickのバンドメンバーが誘ってくれたが、ちょうど僕の時に時間の関係でそのセッションがお開きになった。僕は自分は弾きに来たわけではなくDickにお別れを言いたかっただけなので気にしないでと言ったが、ベースのDavidが気にしてくれたようで、ちょうど僕の帰りのバスまでの時間にColumbia Stationという店に連れて行ってくれた。Butch Warrenが生前よく演奏していた店だそうだ。そこでDavidと2曲だけセッションをし、連絡先を交換後ニューヨーク行きのバスの時間が迫っていた為、店を後にした。

後日、そのDavidからDick Morganのトリビュートコンサートでピアニストとして参加して欲しいとメールが届いた。正直驚いた。教会でのメモリアルの時に会ったDickと直接深い繋がりのあったたくさんのワシントンD.C.のピアニスト達がいる中でなぜ僕に?こんなに光栄な事は無いが、それにしても本当に僕でいいのだろうかと思った。後でわかったが、Davidは寡黙でその時に僕に直接伝えなかったが、実は2曲の演奏を非常に喜んでくれて、早速ギターのSteve Abshireに相談してぜひ僕をピアニストに迎えるべきだと推挙してくれたのだった。その心の広さに感謝の気持ちでいっぱいである。あのDickの愛した彼のバンドメンバーとの忘れられないコンサートは2014年1月10日にWestminster Churchで行われた。Dick本人のバンドで彼の形だけ真似た演奏など通用するわけないと感じ、自分を通して自然と表れるDickへの敬意が伝わればいいと無心で演奏した。聴衆が非常に温かく、演奏後は人生初の観客総立ちのスタンディングオベーション受けたが、Dickの奥様Sylviaも僕の音楽の中にDickの魂を感じて涙を流して喜んでくれた。夢のような一日だった。

さて、その第二弾のDick Morganのトリビュートコンサートが先週金曜の9月12日にメリーランドのMontpelier Cultual Arts Centerで行われた。ここはDickが生前度々演奏、レコーディングもしていた所で、彼はとりわけこの場所と集う人を愛していた。まさに彼の本拠地での演奏であった。
行ってみてまずその環境に驚いた。建物が広大な緑の中にあり、野生の鹿の親子も歩いている。屋内も天井が高く気持ちよい空気が流れていた。アーティストの個展も同時に行われていて、その空間は非常に落ち着いていて格好つけないこじんまりとした最高のアートギャラリーであった。
正真正銘のDickファンの前でDickの演奏してきたレパートリを中心に演奏したが、50年以上Dickを聴いて来たという老夫婦が大興奮して聴きながらダンスをして喜んでくれたり、また温かな歓迎を受けとても嬉しかった。演奏後にDickの奥様Sylviaが、「Dickの音楽の魂を受け継ぐのはあなただから」とDickの使っていたピアノを引き継いで欲しいというお話を頂いた。まさかそこまでそういう事を感じてくださっているとは思いもよらなかった。なんて光栄な事なのだろう!

何かをずっと好きでいることって素晴らしいと心から感じた。Dickの音楽が、僕をアメリカへ、メリーランドの彼の故郷へと導いてくれたにきっと違いない。偉大なDick Morgan、本当に心からありがとう!

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